「ICTを使えば、看護師が少なくても大丈夫」ってことになったらしい。
2026年の診療報酬改定で、そんな内容の制度が始まりました。
詳しく調べてみたら、いろいろと思うことがあったので書いておきます。
この記事は、急性期病棟で看護師として働いていた私が、現場の経験をもとに率直に感じたことをまとめたものです。
「元病棟ナースとして思ったこと」として読んでもらえると嬉しいです。
どんな制度なの?
簡単にいうと、「看護師が集まらない病院が、ICTを導入することを条件に、配置基準を1割まで緩和してもらえる」という制度です。
たとえば急性期の病棟なら「患者7人に対して看護師1人」が基準ですが、条件を満たせば「7.7人に対して1人」でも基準を満たしたとみなされます。
条件として必要なICT機器は3種類。
遠隔で患者を見守れるカメラやセンサー、音声入力やAIで記録を楽にするツール、スタッフ間でリアルタイムに情報共有できる端末です。
これら3つをすべて導入して、残業を月10時間以下に抑えることなども求められます。
積極的に看護師を減らす制度というより、すでに人手不足で基準を満たせない病院への救済策という色合いが強いようです。
見守りカメラ使っていたけど…

私が働いていた急性期病棟にも、見守りカメラはありました。
なので「全然知らない話」ではなく、実際に使っていた側として読んでいました。
正直な感想を言うと、便利な面もあったけど不安な面もありました。
たとえば、寝返りを打っただけでもアラームがなっちゃうことありますよね。
「これは緊急なのか、ただ動いただけなのか」の判断が難しくて。
しかも鳴ってから看護師が動いても、転倒などの場面では間に合わないんじゃと焦ることもありました。
カメラで「見える」ようになっても、結局対処するのは人間なので、人が足りないという根本は変わらないと感じていました。
「業務量は変わらないのに、人だけ減る」が怖い
この制度を読んで一番引っかかったのは、ここです。
ICTで「記録が楽になる」「情報共有が速くなる」は、確かにそうかもしれない。
でも、患者さんのケアそのもの、処置、急変対応、家族への説明……そういう部分は、結局人が動かないとどうにもなりません。
業務量が変わらないのに人数が減れば、1人あたりの負担は増えます。
「月の残業を10時間以下に」という条件がついているのはわかりますが、それが本当に守られるかどうかは、現場次第だと思います。
制度の設計と現場の実態が一致するかは、もう少し様子を見ないとわからないな、というのが正直なところです。
ただ、書類仕事が楽になるなら期待できる
不安なことばかり書きましたが、期待できる部分もあります。
看護サマリーや記録など、書類仕事の負担も正直かなりあります。
音声入力やAIで記録が楽になるなら、その分の時間を患者さんのケアに使えるかもしれない。そこは素直に「いいな」と思いました。
ICT自体を否定したいわけではなく、「ICTで効率化した分を、ちゃんとケアの時間に還元してほしい」というのが現場を経験した側の気持ちです。
人を減らす方向に使うのではなく。
制度がどう変わっても、自分の働く環境は自分で選べる

制度の話をいろいろ書きましたが、最終的に思うのはここです。
診療報酬がどう変わっても、人手不足がどうなっても、今いる職場が変わるかどうかは病院次第です。
でも、自分がどこで働くかは自分で選べます。
私自身も、病棟の状況が変わるのを待つより、自分が動いたほうが早かったと思っています。
転職してみて、働き方がずいぶん変わりました。
今の職場の状況に不安を感じている方は、まずエージェントに話を聞いてみるところから始めてみてください。
おわりに
私の生活の中でAIはずいぶん身近になりました。楽になったこともたくさんあります。
病院でも人の手が必要なこともたくさんありますが、うまく活用していって少しでも本来の看護業務に集中できる環境になってほしいなと思います。
私個人の感想ですが、同じように感じている方がいれば嬉しいです。