「夜勤がつらい」「子育てと両立できない」──そんな理由で転職を考える看護師は少なくないのでしょうか。
私自身も、シングルマザーとして病棟で夜勤をしながら働き、子育てをしていましたが、夜勤の多さに体も心も追いつかず、転職を決意しました。
看護師歴5年目で手術室に転職し、今は夜勤なし・土日休みの生活を送っています。
正直いうと転職活動時、手術室勤務というのは全く考えておらず、配属が決まった時は戸惑いましたが、今では転職してよかったと思っています。
夜勤手当がなくなったことで収入は多少減りましたが、それ以上に 子供と過ごす時間や健康な生活リズムを手に入れられたことは大きな価値でした。
この記事では、夜勤なしで働ける看護師の職場、実際に夜勤なしに転職して感じたメリット・デメリット、そして転職のポイントについて、私の体験談を交えて解説していきます。
夜勤あり病棟勤務はどれくらい大変なのか?
まず、私が転職を考えるきっかけとなった「夜勤ありの生活」の大変さ、この記事を読みに来てくださった方はご存じかと思いますが少し紹介します。
夜勤の日のリアルなスケジュール
私が病棟にいた頃のシフトは、夜勤が月5〜7回。
二交代制だったので、夕方から翌朝までの勤務です。
と、思っていたのは勤務を始める前の話。
実際には、お昼過ぎには家を出て、帰ってくるのは次の日の昼近くになってしまっていました。
- 14:30 家を出る
- 15:30 出勤 情報収集や点滴、経管栄養準備のため1時間前には出勤
- 16:30 勤務開始
- 9:00 勤務終了
- 9:30~11:30ごろ 退勤
- 10:30~12:30ごろ 帰宅
- 14~15時ごろ 子供が小学校から帰宅するまで仮眠
仮眠時間は1時間半あることになっていましたが、実際にはまるまる取れることなんてめったにないですよね。
記録が終わらなかったり、不穏な患者さんやナースコールへの対応、急変対応、緊急入院受けなどでほとんど1時間も寝られない日がほとんどでした。
勤務終了後も記録や係の仕事で長いと2時間くらい残業。
ようやく帰宅しても小学校高学年の子供は14~15時くらいには帰ってくるから仮眠できるのも2~3時間。
寝不足で頭がぼうっとしたまま子供の習い事や通院に付き合うっていう生活でした。
子育てとの両立の壁と体調への影響
シングルマザーなので夜勤の日は両親に子供をお願いしていました。
学校や保育園行事は前から予定が決まっているのでお休みを取っていましたが、急に決まった子供同士の約束には付き合えないことも多く、子供に「なんでママはいつもいないの?」と言われたこともあります。
寝不足が続くと集中力も落ち、慢性的な疲労感に悩まされました。
夜勤明けはほぼ一日何もできないまま終わってしまうため、自由に使える時間も少なくなります。
生活が不規則で疲れからイライラして子供に強く当たってしまったこともあり、「このままでは子供の成長に関われない」と悩む日々でした。
そんな生活を数年続けるうちに「夜勤をしながら子育てを続けるのは限界」と感じ、夜勤なしの働き方を探すようになりました。
夜勤なしで働ける看護師の職場とは?
看護師=夜勤あり、と思われがちですが、夜勤なしで働ける職場もたくさんあります。
ここでは代表的な勤務先を紹介します。
クリニック・外来
クリニックや病院の外来勤務は、診療時間が日中のみで、夜勤はありません。
診療科によって仕事内容は異なりますが、バイタル測定や処置、医師の診察補助などが中心です。
- メリット:急変対応が少なく精神的な負担が少ない
- デメリット:小規模クリニックだと看護師人数が少ないので急なお休みを取りにくい場合も
健診センター
企業健診や人間ドックを行う健診センターも夜勤がありません。
検査の補助が中心で、残業も少なめ。繁忙期(春・秋)は忙しくなりますが、それ以外は比較的落ち着いて働けます。
- メリット:医療処置が少ない
- デメリット:求人数が少なく採用ハードルが高い
施設(介護施設・有料老人ホームなど)
施設では入居者の健康管理や服薬管理が中心です。
夜勤スタッフが配置されている場合、日勤のみ勤務も可能です。
医療行為より生活支援が多く、病棟に比べて急変対応は少なめ。
- メリット:じっくり向き合う看護ができる
- デメリット:給与水準はやや低め
訪問診療(在宅クリニックなど)
医師と一緒に患者さん宅を訪問し、診療の補助を行います。
夜勤はなく、オンコール対応も医師が担うことが多いので看護師は日勤のみ。
- メリット:医者に同行するので訪問に安心感がある
- デメリット:事務仕事や連携業務で看護業務以外の仕事も多い
訪問看護ステーション
訪問看護も基本的に日勤ですが、オンコール対応を求められることがあります。
ただし事業所によってはオンコール免除の求人もあり、ママナースに配慮した勤務形態を取っているところもあります。
- メリット:患者や利用者と密に関われる
- デメリット:移動が多く体力が必要
手術室(条件付き)
私が今勤務しているのが手術室です。
(正確にいうと「夜勤なし」という訳ではないのですが、比較的働きやすい勤務形態なので入れています)
基本的には日勤のみですが、病院によっては緊急手術のために夜間や休日のオンコール体制があります。
ただし、未経験者がすぐに夜勤に入ることはありません。
経験を積まないと夜勤は任されないので、数年単位で夜勤はしない予定です。
今の病院では、夜勤希望のスタッフも多いため、小さい子供がいる看護師は夜勤を免除されるケースが多いのです。
私自身、外来希望で転職したのになぜか手術室配属になりましたが、結果的に夜勤なしで働けて満足しています。
実際に夜勤なしの職場に転職して感じたメリット・デメリット
実際にに夜勤なしの職場に転職してみてわかったメリット・デメリットをご紹介します。
まずデメリットから。
デメリット
圧倒的なデメリットは給与が下がること!
看護師である程度稼げるのは夜勤手当があるからこそ。
日勤に変更することでその手当がないのは大きい!
『子供をお金のことで苦労させたくないから給与が下がるなんて絶対無理!』
と転職活動前は思っていました。
でも、私は思っていたより影響を抑えて転職できたし、生活レベルは大きく変えずに生活できています。
夜勤手当がなくなるため、月収で6万円ほど減る計算でしたが、転職先では基本給があがり、結果的に月2万円ほどの減収で済みました。
あと、病棟から業務内容は大きく変わることが多いため勉強はやっぱり大変です。
特に私は手術室という全くの新しい業務をしているので、半年以上経っても自宅では勉強時間の確保が必須です。
メリット
デメリットはありましたが、、メリットの方が圧倒的に大きかったです。
まず、子供と過ごす時間が圧倒的に増えました。
土日休みになって、お休みが子供と同じになったのでお出かけできる回数が増えたし、子供の友達関係もよくわかるようになりました。
それに夜勤がなくなり、夜寝て、朝起きるっていう当たり前の生活を手に入れることができました。
生活リズムが整って、夜はすって眠れるようになって睡眠の質が向上、慢性的な疲労感からも解放されました。
今までいかに身体に負荷かけて働いていたのか痛感しました。
満足のいく転職活動にできたポイント
手術室という想定外の転職先でしたが、結果的にはいい方向に進んだと私としては思っています。
特殊な世界なので手術室への挑戦を決して勧める訳ではないですが、「夜勤アリ」の働き方に限界を感じるようなら他の働き方を探してみてください。
転職は「どこに行くか」より「どう進めるか」で結果が変わります。
私が実践してよかったポイントを紹介します。
1. 条件を紙に書き出した
「夜勤なし」「土日休み」「残業少なめ」「子育てと両立できる」──これを絶対条件として紙に書き出しました。
転職中は迷いや誘惑が多いもの。
優先順位をつけておくことで、判断に迷わず進めました。
2. エージェントに正直に伝えた
「小さい子供がいるので夜勤はできません」
「残業が多いと難しい」
「日勤のみで給与は〇〇万円以上で探しています。」
とエージェントさんに正直に伝えることで、無理のない求人を紹介してもらえました。
条件を隠すより、最初からオープンに話す方が結果的に良い職場に出会えます。
3. 働くリアルを質問した
「子供の体調不良などで急なお休みをとることは可能ですか?」「有給は取ることが可能ですか?」など、実際の勤務状況をエージェントさんに具体的に確認しました。
求人票に書かれていない情報を知ることで、入職後のギャップを防げます。
転職サイトを利用したことで面接で聞きづらいことも事前に情報収集できました。
3. 複数サイトを使って比較した
転職サイトによって扱う求人は異なります。
私は3つのサイトを使い、給与・勤務条件・残業の有無を比較しました。
転職サイトによって、提案内容が色々で幅広い選択肢から選ぶことができた結果、給与面でも満足した結果を得ることができました。
5. 完璧を求めすぎない
すべての条件を満たす職場は存在しません。
夜勤なしで給与は少し下がりましたが、健康と家庭の時間を取り戻せたことを考えれば、転職して本当によかったと思います。
6. 転職は逃げではなく前向きな選択
「夜勤ができないなんて」と言われることもありますが、働き方を見直すのは逃げではありません。
家族を守り、自分を大切にするための選択です。
看護師は働き方を自由に選べる職業だからこそ、環境を変える勇気を持っていきましょう。
おわりに
私は夜勤あり病棟から夜勤なしの手術室に転職し、給与は少し下がったものの、子供と過ごす時間・健康・生活の質を大きく改善できました。
「夜勤がつらい」「子育てと両立できない」と悩んでいる看護師さんへ。
夜勤なしの働き方は決して特別ではなく、実際に選べる選択肢はたくさんあります。
まずは「夜勤なし」「日勤のみ」で求人検索をしてみるところから始めてみませんか?
私も転職の際は、看護師専門の転職サイトで条件を絞って求人を探し、エージェントに相談することで安心して職場を選ぶことができました。
夜勤なしでも、看護師を続ける道は必ずあります。
あなたに合った働き方を見つけて、毎日をもっと楽に、もっと幸せに過ごしてほしいです。