「AIが進化したら、看護師の仕事もなくなるんじゃないか……」
そういうニュースや話題を目にする機会が増えてきました。確かに、身の回りでも機械やAIに置き換わった仕事は増えています。
この記事は、病棟と手術室で働いてきた現役ナースとして、AIと看護師の仕事について率直に感じていることを書いたものです。
正解はわからないですが、現場を経験してきた視点でお伝えできることをまとめています。
AIや機械化が進んでいるのは、確かだと思う
スーパーのレジはセルフレジが当たり前になりました。
銀行の窓口業務はATMやネットバンキングに移行して、窓口の数は減っています。
工場の製造ラインは自動化が進み、コールセンターもチャットボットが対応する場面が増えました。
こうした変化を見ていると、「次は自分たちの番なのかも」と思う気持ちも正直あります。
AIが記録をまとめたり、情報を分析したりする能力は、確かにすごいと思います。
でも、看護師の仕事が「完全になくなる」とは、私は思っていません。
「大丈夫です」の裏にある気持ちは、AIには読めない

看護師の仕事をしていると、患者さんが「大丈夫です」と言うけれど、表情や声のトーン、ちょっとした間の取り方から「あ、これは大丈夫じゃないな」と感じる場面があります。
言葉の裏にある気持ちを読み取って、そっと声をかけたり、そばにいたりする。
そういう関わりは、数値やデータでは測れない部分です。
AIはデータの処理や分析は得意ですが、「この人、今しんどそうだな」という人間的な感覚や、それに応じて動いたり、気持ちに寄り添うことは、今の技術では難しいと思っています。
看護師の仕事の核心はそこにある気がします。
逆に、AIに助けてほしいと思う場面もある

AIを否定したいわけではなくて、うまく使えたらいいなと思っている部分はあります。
たとえば看護サマリーの作成。
今までの入院経過を記録から読み取って、看護問題を抽出してまとめてくれたら…
めちゃくちゃ楽になりますよね!
あとは、日々の受け持ち患者さんの情報収集。
患者さんの入院後の経過、検査結果、リハビリの状況、与薬の内容……こういった情報をまとめて抽出してくれたら、すごく助かります。今は人が時間をかけてやっている作業です。
病棟で働いていたとき、日勤前に30分〜1時間、無給で早く出勤して情報収集をするのが当たり前でした。
担当患者さんの状態をひとりひとり頭に入れてから業務を始めないといけないので、その時間は必要だったのですが、AIが情報をまとめてくれれば、この「前残業」がかなり減るんじゃないかと思います。
AIに仕事を「奪われる」のではなく、「任せられる」部分を増やして、看護師が本来やるべきことに集中できる環境になっていくといいな、というのが正直なところです。
変わるのは「仕事の中身」で、仕事がなくなるわけじゃない
AIの進化で、看護師の仕事の中で「機械に任せられる部分」は増えていくと思います。
記録作成、情報の整理、定型的な確認業務などは変わっていくかもしれません。
でも、患者さんのそばに寄り添うこと、言葉の裏にある気持ちを感じ取ること、急変時に判断して動くこと。こういった部分は、人間にしかできないことだと思っています。
「看護師の仕事がなくなるかも」と不安に感じている方がいたら、そこはあまり心配しなくていいと思います。
それよりも、今の職場環境や働き方が自分に合っているかのほうが、毎日の生活には大きく影響すると感じています。
働く環境を変えることを考えている方は、こちらの記事も読んでみてください。
▶ 転職は怖い…でも転職活動はノーリスク!|40代看護師が一歩踏み出せた理由
おわりに
AIについては私も勉強中で、これが正解とは言えません。
でも現場を経験してきた感覚として、「看護師の仕事がなくなる」という未来はあまり想像できないです。
変化の大きい時代だからこそ、自分が働きやすい環境を選ぶことを大切にしてほしいと思います。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。