「看護師不足って何年も前から言われているのに、なぜ改善されないんだろう……」
毎年のように「看護師が足りない」というニュースを見かけます。対策も打たれているはずなのに、現場のしんどさはあまり変わらない。
そう感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事は、病棟と手術室で働いてきた私が、「なぜ看護師不足は解消されないのか」について感じてきたことを書いたものです。
データや制度の話だけでなく、現場で働いているスタッフの立場で感じていることです。
看護師はブラックだからと諦めるのではなく、少しでも看護師として働きやすい職場環境が整うことを考えていけたらと思います。
「看護師不足」は何年も前から言われている
看護師不足が社会問題として取り上げられるようになったのは、もう何十年も前のことです。
少子高齢化が進むにつれて医療の需要は増え続けているのに、それを支える看護師の数が追いついていないという構造は、ずっと続いています。
厚生労働省の推計では、2025年以降も看護師の需要は供給を上回り続けると見込まれています。
有効求人倍率は2倍を超えており、「求職者よりも求人のほうがずっと多い」という状態が続いています。
これほど長く続いている問題が解消されないのには、いくつかの理由があります。
なぜ解消されないのか:現場から見えること

看護師不足が続く理由は、一言では説明できません。
いくつかの要因が重なっています。
賃上げが現場まで届きにくい
2026年の診療報酬改定でも看護師の賃上げが盛り込まれましたが、実際に基本給のアップを予定している事業所は約3割にとどまるという調査結果があります。
制度としては賃上げの仕組みがあっても、職場によって反映度が大きく異なるのが実情です。
夜勤をしないと「看護師の給料」にならない
看護師の給料は夜勤手当が大きな割合を占めています。日勤だけでは収入が下がるため、夜勤を続けるしかないという状況になりやすいです。
でも夜勤は体への負担が大きく、子育て中の方には特に続けにくい。
結果として離職につながるケースは多いと思います。
離職率が高く、補充が追いつかない
調査では看護師の74〜85%が「辞めたいと思ったことがある」と答えています。
実際に辞める人が多く、せっかく採用しても数年で辞めてしまうという繰り返しが起きています。
採用にコストをかけても定着しなければ、不足は解消されるわけがありません。
「辞めにくい」雰囲気もある
人手不足の職場ほど「自分が辞めたら迷惑をかける」というプレッシャーを感じやすいです。
本当はしんどいのに、周りへの申し訳なさから辞めるタイミングを逃し続けている方も少なくないと思います。
現場で感じていたこと
病棟で働いていたとき、スタッフが辞めるたびに残った人の負担が増えていきました。
看護師採用の求人は常に出ていますが採用までに時間がかかり、その間は今いるメンバーで回すしかない。
「また誰か辞めたら自分たちはどうなるんだろう」という不安が、ずっと頭の隅にありました。
疲弊した職場では、ベテランのスタッフも精神的に余裕がなくなっていきます。
新人への教育にも影響が出て、育ちきる前に辞めてしまうケースも見てきました。
人手不足は個人の努力ではどうにもならない構造的な問題です。
「自分が頑張ればなんとかなる」という気持ちで踏ん張り続けることには、限界があります。
「不足している職場」にいる必要はない

看護師不足は業界全体の問題ですが、すべての職場が同じように不足しているわけではありません。
人員が比較的安定している職場、スタッフの定着率が高い職場も存在します。
手術室に転職してから感じたのは、スタッフの入れ替わりが病棟時代より少ないということでした。
業務の範囲がある程度決まっていて、慢性的な人手不足に追われる感覚が違います。
もちろん職場によりますが、探せば自分に合う環境は見つかります。
「看護師不足だから仕方ない」と今の職場に留まり続けることが、唯一の選択肢ではありません。
職場を選ぶことは、自分の働き方を守ることでもあります。
転職活動のはじめ方については、こちらの記事も読んでみてください。
▶ 転職は怖い…でも転職活動はノーリスク!|40代看護師が一歩踏み出せた理由
おわりに
看護師不足が解消されないのは、一つの理由ではなく、賃金・夜勤・離職率・職場文化など複合的な問題が絡み合っているからです。
制度で改善しようとしても、現場に届くまでに時間がかかったり、職場によって差が出たりします。
その中でできることは、自分が働く職場を選ぶことだと思っています。
今の環境がしんどいと感じているなら、選択肢を広げてみることが第一歩になります。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。